ワンちゃんの症状別お悩み
同じ症状でも、状況が異なることもあります。
あくまでも、一つの目安としてご参考にしてください。
元気がない
名前を呼んだ時、家族が帰ってきた時の反応がいつもと違ったり、寝ていることが多くなったと感じられた場合、病気が隠れていることがあります。元気がないということは、あらゆる病気で起こりうることなので、症状が続くようなら一度診察を受けましょう。
※精神面からの症状で一時的なことも考えられます。
熱っぽい
もともと、ワンちゃんの平熱は38~39℃前後です。
ですから、触ると温かく感じるものですが、いつもより温かく感じたり、ハァハァと息が荒い場合は、発熱している可能性があります。元気・食欲も含め、異常と感じられたら病院で検温・診察を受けましょう。
✽✽考えられる病気✽✽
感染症・外傷・熱中症など
食欲がない
食べようとするが食べられないのか、食べる気がないのかによっても考えられる病気が異なります。
食欲低下は消化器の病気だけではなく、あらゆる病気でみられる症状のため、食欲だけで診断することは困難ですが、食欲の変化はわかりやすいワンちゃんからのサインです。
他の症状がないか注意深く観察してみましょう。
嘔吐する
嘔吐の原因として最も多いのが、胃腸など消化器の障害です。
特に、激しく吐いている場合、頻繁に吐く場合は、早く病院で受診してください。
✽✽考えられる病気✽✽
胃腸炎、膵炎、異物の誤飲、ウイルス感染症、子宮蓄膿症、中毒、肝臓疾患、腎臓疾患
✽✽受診の際の注意✽✽
嘔吐物を持参して下さい。
また、食べた可能性のあるものがわかるようでしたら、その包装紙や容器などをお持ち下さい。
軟便・下痢
便は食べた物や、体調により硬さや色・臭いに変化が生じます。排便の回数や様子をよく観察し、元気・食欲の低下、嘔吐などを伴う場合は早めに受診しましょう。来院時に出来るだけ便を持参してください。
✽✽考えられる病気✽✽
胃腸炎、寄生虫疾患、中毒、膵炎、内臓疾患、自己免疫性疾患など
お尻を気にする
お尻のどの辺りを気にしているのか、痛そうなのかか、痒そうなのか、それとも出血はないか、よく観察してください。来院時には、お尻を気にする様子について気付かれたことをお伝え下さい。
✽✽考えられる病気✽✽
肛門周辺⇒下痢、便秘、肛門のう貯留、肛門のう炎など
尿の出る所⇒膀胱炎、尿石症など
臀部のけが、きずなど
男の子⇒包皮炎など
女の子⇒膣炎、子宮蓄膿症など
トイレのポーズを何度もする
外でトイレの習慣がある場合、頻繁に外に行きたがったり、家のトイレに何度も行くが、便や尿が少ししか出てこないことがあります。早目の受診をお勧めします。
✽✽考えられる病気✽✽
便秘、巨大結腸症、前立腺肥大、膀胱炎、尿路結石など
尿の量や色がいつもと違う
尿の量が日頃より多くなったり、少なくなったり、臭いが強くなったり、尿の色が薄い、又は濃い黄色・オレンジ色・赤っぽい・白濁しているなど、いつもと違う場合は早めに受診してください
尿から多くの情報が得られますので、おかしいと感じられた時は尿検査のために清潔な容器に採った出来るだけ新鮮な尿を病院にお持ちください。
※病院に採尿器をご用意しています。ご入用の際は病院スタッフに声をかけて下さい。
✽✽考えられる病気✽✽
膀胱炎、尿石症、慢性腎不全、糖尿病、肝臓疾患、副腎皮質機能亢進症、子宮蓄膿症、前立腺炎、
フィラリア症(ベナケバ・シンドローム)、たまねぎ中毒、自己免疫性疾患など
水を飲む量が増えた
飲水量が増えた場合、塩分の多い物を摂取したり、暑いときや運動後など生理的なこともありますが、病気が隠れていることもあります。日頃の飲水量を、把握しておき、いつもより飲む水の量が増えたな?頻ぱんに水を飲むようになったなと感じた時は病気のサインかもしれません。
✽✽考えられる病気✽✽
糖尿病、腎不全、副腎皮質機能亢進症、子宮蓄膿症など
目を気にする・目が赤い
前肢で目を気にしてこすったり、まぶたを閉じがちな様子がある場合は出来るだけ早く受診してください。
目ヤニや、涙が多いときは拭き取らずに病院にお越し下さい。診察のときに観察し、場合によっては検査に使います。
✽✽考えられる病気✽✽
角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎、鼻涙管閉塞、ブドウ膜炎、ドライアイなど
耳が臭う・よごれている
健康な耳には、多くの耳垢や臭いは殆どありません。
耳のよごれと感じているものが、外耳炎など病気のサインのひとつです。耳の臭いやよごれが気になったら診察を受けて下さい。
✽✽考えられる病気✽✽
マラセチア外耳炎、細菌性外耳炎、耳ダニなど
口が臭い・よだれが多い
口の中のトラブルは口臭やよだれの多さとして見付けることができます。口臭は加齢性のものではなく、病気によるものです。また、歯周病など口の中のトラブルだけでなく、内臓の病気でも口臭やよだれが多くなることがあります。いつも一緒にいるワンちゃんの臭いが気になったら、ご相談下さい。
✽✽考えられる病気✽✽
歯周病、口内炎、口腔内腫瘍、口腔内異物、慢性腎不全、顔面神経麻痺など
鼻汁が出る
鼻汁といってもその様子はさまざまです。色がにごっていたり、粘りがあるもの、膿のようなものが混じっていたり、水のようにさらさらしていて無色透明なものなど、体の状態によって鼻汁の状態はいろいろと変わってきます。どのような鼻汁がどれくらい出ているかを確認してください。
✽✽考えられる病気✽✽
鼻炎、気管支炎、肺炎、副鼻腔炎、ケンネルコフ、鼻の腫瘍、歯周病など
毛が抜ける・痒がる
抜け毛、痒みが全身で起きているのか、部分的なのか、左右対称に異常があるのかなどその状態によって考えられる病気が違います。また、体の一部を舐める場合、皮ふ病の他に関節の痛みが気になる場合や、心因性のこともあります。
✽✽考えられる病気✽✽
皮膚炎(細菌・真菌感染・寄生虫)
アレルギー性皮膚炎、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症、関節炎、常同行動など
咳をする
咳のタイプ(乾いた咳や湿った咳)や、咳をするタイミング(興奮時や安静時)により考えられる病気は様々です。
どんな咳をどんな時にしているかよく観察してください。
✽✽考えられる病気✽✽
気管支炎、気管虚脱、ケンネルコフ、肺炎、僧帽弁閉鎖不全症、肺水腫、誤飲など
頭を振る・傾ける
耳を気にして頭を振ったり、頭を傾けたりすることがあります。これらの行動をよく見かけるようになりましたら、病気のサインです。
また、脳の問題で頭を傾け続けることもあります。このような症状が見られましたら早期に受診しましょう。いつもと違う行動、いつもより多い行動に気付いたらご相談下さい。
✽✽考えられる病気✽✽
外耳炎、中耳炎、内耳炎、前庭疾患など
乳房が腫れている・熱っぽい
炎症で腫れていることもあれば、腫瘍のこともあります。見た目ではわかりづらく、気づきにくいこともあります。
日頃のボディチェックを心がけ、痛みを伴わなくても腫れに気づいたら受診するようにしましょう。
✽✽考えられる病気✽✽
乳腺腫瘍、乳腺炎、偽妊娠など
体型がかわってきた
太ってきたり、痩せてきたり、お腹がはってきたりした場合、食事量や代謝率の変化によることもありますが、病気が隠れていることもあります。まずは日常、どれくらいごはんを食べているかをしっかり把握しましょう。特に多頭飼育の場合、どの子がどれだけ食べれているかわかりにくいため、注意深く観察してあげましょう。
✽✽考えられる病気✽✽
太ってきた⇒甲状腺機能低下症
痩せてきた⇒糖尿病、腫瘍、心不全
お腹がはってきた⇒副腎皮質機能亢進症、腹腔内腫瘍、子宮蓄膿症、腹水貯留(心不全・肝不全)、妊娠など
触ると嫌がる
いつも触っても平気なのに、急に嫌がる場合、その嫌がる部位には痛みや異常が隠れているかもしれません。
それに気付いてあげるためにも、日頃からボディタッチに心がけ健康のためのボディチェックにも取り組みましょう。ちょっと意識するだけで病気の早期発見・早期治療につながります。
✽✽考えられる病気✽✽
椎間板ヘルニア、外耳炎、口内炎、外傷、関節炎、皮フ炎、腹膜炎など
歩き方がおかしい
四肢の先端にケガをしていたり、関節に問題があると歩き方がおかしくなります。
どの肢のどこを気にしたり、かばったりして歩いているかよく観察し受診してください。加齢性の変化による痛みが徐々に増していくことがあります。せっかくのお散歩を楽しめるようにケアしてあげましょう。
✽✽考えられる病気✽✽
外傷、膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂、股関節形成不全、骨肉腫、椎間板ヘルニア、脳の疾患など